秘密の鎖

莉沙の明るい声が耳に響いた。


「美緒ー?夏休みまで私に会いたくないかもしんないけどさ、今から遊べない?」

「おっけー。莉沙になんか会いたくないけど遊んであげるー」


莉沙は高い声であはは、と笑った。


「今日は雨だし私の家でいいよね?」

「うん」

「じゃー待ってるね、お菓子もって来なさいよー」


そう言うと莉沙は電話を切った。


莉沙の家か。
久しぶりだなー、いつもぶらぶら歩いてるだけだからなおさら新鮮だなー。


私はウキウキしながら着替えて

ウキウキしながら夕月さん宛てにメモを残して

ウキウキしながらマンションを出て

ウキウキしながらバス停に着いたところで
気づいた。


……私、ここから莉沙の家までの行き方知らない…

てか、ここドコ!?

夕月さんの車に乗って来たし、途中で寝ちゃったからまるでわからない。


あーっ、なんで寝ちゃったんだろう私!

バカ!マヌケ!ドジ!


私は落ち込みながらもとりあえず自分の町の近くの地名がのってるバスを見つけて乗り込んだ。



……なんとかなるっショ!

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