秘密の鎖
莉沙のお祈りの手をムリヤリ引き剥がした。
大体、それとその前の質問と何の関係があるのか。
莉沙はちょっと頬を膨らませて私を見る。
「何。いーじゃん妄想くらい。何があるかわかんないじゃん」
「だって、異母兄だよ?兄妹なの!(違うけど)」
「いーじゃん」
「よくない!あんた、私に襲われてほしいわけ?」
「ほしいほしい」
「何ですって」
「きゃーごめーん」
莉沙の肩を捉えてガクガク揺らす。
…夕月さんはそんな人じゃないし。
たぶん。
どっちかってゆーと、紳士的な、好青年な人…だし。
たぶん?
だからそんなことを言う莉沙がちょっと気にくわなかった。
でも、莉沙と話すと何かがすっきりとした。
結局、私たちはそれから5時過ぎまで話し込んで、
私は5時半には莉沙の家を出た。