秘密の鎖

部屋に入るとすぐ、私は浴室に投げ込まれた。

「着替えは持ってきてあげるから、早くあったまっておいで」


夕月さんはそう言って脱衣所のドアを閉めた。

夕月さんも私のせいで濡れてるはずなのに。

…優しいな、夕月さん。



絶対見つけられないと思っていたのに
見つけてくれた。


私を。


預かり子だから、かもしれない。


それでも
見つけて抱きしめてくれた優しさは変わらない……


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