秘密の鎖

次の日。


私は急に熱を出して寝込んでしまっていた。

めったに熱なんかでないのに。

昨日はしゃぎすぎたせいかな……。
あ、それともこの前の雨のせい?



それにしても、
私はこんなに体が弱ったことに慣れてなかったから、
鈍く動かない体にイライラした。

おでこには
さっき夕月さんが貼ってくれた冷却シートがぴったりはりついている。


夕月さんは、いつも7時にはキッチンに立ってるはずの私が
8時を過ぎても部屋から出てこなかったから心配して見にきて、
私の異変に気が付いた。

それからせっせと薬を持ってきたりシートを貼ってくれたりした。

(おかゆも作ってくれようとしてたけど、それはエンリョさせてもらった)


おかげで夕月さんは仕事に遅刻。

すまない気持ちでいっぱいだった。



あーあ、体弱いんだって思われちゃったらやだな。

とんだやっかいものじゃないの。



体だけじゃなく心までクヨクヨしてきて、
ひとりなのをいいことにベッドの中でうんうん唸っていると
玄関のドアがガチャリとあいた音がした。

途端にギクリと体が固まる。




え?え?
何?夕月さん?


いや、でも仕事に行ってるしっ……



ま、まさかドロボー!!?


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