秘密の鎖
お粥をそっとすくって、一口食べる。
「おいしーい!」
夕月さんのお姉さんだからちょっと心配だったけど、
そんな心配いらなかった。
むしろ、料理上手いかも。
お粥がこんなにおいしいと感じたのは初めて!
夕月さんは私がぱくぱくお粥を食べてる間中、
いつもの優しい顔でずっと眺めていた。
「ごちそうさまでした!」
「全部食べたのか。もうすっかり元気だね」
「はい」
そりゃよかった、と言って器をさげに立ち上がった。
と思ったら
「一緒に寝てあげようか」
なんて楽しそうな顔をして提案してくる。
水を飲んでいた私は、危うく吹き出しそうになった。
「もう、からかわないで下さい!」
口元を押さえながら頑張って言うと、
ははっと笑って出ていった。
もう!本当に心臓に悪いっ。
ちょっと赤くなった頬を隠すように布団に潜り込んだけれど、
頬の火照りはなかなか治まってはくれなかった。