秘密の鎖
Another Chain
綺麗な訪問者
「いってきます。ちゃんといい子にしてなよ」
「はいはい、いってらっしゃい」
熱がすっかり下がって、体調も回復した私は複雑な気分でバイトに出かける夕月さんを見送った。
いい子って。
私『高校生』なんですけど……。
夕月さんはどーも私を子ども扱いしてる。
そりゃ、夕月さんからしたら子どもかもしれないけどさぁ…。
今日は久しぶりに夏休みの宿題に手をつけることにして、
私は机に向かった。
数学…はあとあと。
英語からしよう。
そう思って教科書とノートを開いたものの、英語の文字がびっしりとつまった教科書を見た途端にやる気をなくし、
リビングに舞い戻ってゴロゴロすることにした。