秘密の鎖
家に帰ってもやることがない。
ソファの上でゴロンと横になっていた。
ヒマだなぁ…
テレビ飽きたしなぁ…
することないなぁ…
ヒマだなぁ…
「……よし」
ぼそりと呟いて体を起こす。
「宿題やろう」
あまりにヒマすぎて、絶対したくないこともやろうという気になった。
部屋に戻って教科書とノートを取り出した。
今日は例文を写す作業を終わらせよう。
そう心に決めて、腕捲りして机に向かった。
――――――――――――――――
「ああー、無理っ!もう無理~」
ボールペンを放り投げて、カーペットの上に身を投げた。
私、結構頑張った。
今日の昼から夜まで、ずーっとやったもん。
でも、
終らないのはなぜ……?
ふてくされてゴロゴロ転がりまわっていると、夕月さんが帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえり~」
出迎えに行く気もしなくて、寝そべったまま言うと、夕月さんが部屋の前を通るときに不思議そうになんで疲れてんの?
って言って通りすぎていった。