いちごの恋~恋した相手は先生~
新垣先生は呆れたように、新羅の肩に手を乗せた。
先生がよくやる仕草。
落ち込んだ生徒の肩に手を乗せる。
私はそれが嬉しくて…
新垣先生の前で、何度か元気のないフリをしたこともある。
『どした?』って顔を覗き込みながら、肩に大きな手を乗せてくれるんだ。
だけど、私にだけじゃない。
先生の生徒なら、誰でもそんな素敵なことをしてもらえるんだ。
わかってるのに…
やきもち。
新羅の肩に置かれた手を見つめているうちに
泣けてくる。
「先輩!!どうしたんですか?体調悪い?」
新羅は長い付き合いだから、私のことはよくわかる。
私のこと、いつも心配してくれるかわいい子。
「ううん・・・大丈夫。ちょっと疲れちゃって…」
強がる私は、後ろを向いた。
涙が出そうになったから…
タオルで隠しながら、荷物の整理をするフリをして。
視線の先にはかわいい花が風に揺れていた。
小さな花…