いちごの恋~恋した相手は先生~
私は友達に
本音が言えないんだ。
親友と呼べる友達がいるようでいないようで…
こんな辛い状況に置かれていて、そのことを相談する友達がいない。
いるとしたら、飼っている犬のコロだけ。
コロは優しいから、いつも私の味方。
厳しい意見を言ってくれる友達はいない。
一人で解決するしかないんだ。
一人で乗り越えなきゃ、前に進めない。
幼稚園に向かう子供達が私の後ろで大きな笑い声を出した。
無邪気に笑う声が、どこか先生の声に似ていた。
小さな体に大きな鞄を持つ子供の背中を見つめながら、ため息をつく。
戻りたいな。
戻れるなら戻りたい。
やり直したい。
もっと
素直でかわいい私に…
戻りたい。
手の平に付いた錆びが、懐かしい匂いを運ぶ。
昔、公園で遊んだブランコの手すりの錆びの匂いのような…
少し酸っぱいような匂いがした。