いちごの恋~恋した相手は先生~


チャイムが鳴ると同時に走り出した。



向かった先は、大事な人の元…



懐かしい2階の廊下を思い切り全力で走ると、去年の記憶が甦るようだった。


私達の1階の廊下よりも少し汚れた廊下。


窓から差し込む太陽の角度も少し違う。




「新羅!!!」



教室の机の上に腰掛けた新羅が、びっくりした顔で私を見た。


周りにいた友達も、何事かと私をじっと見つめてた。




「先輩!!どうしたんですか?」


駆け寄ってきた新羅の腕を掴んで、屋上へ走った。



涙がいっぱい出た。


走っていなければ、涙がみんなにバレてしまうくらい、たくさん出た。




首を横に振ると、涙が飛ばされて…


そのままどこかへ消えた。





< 57 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop