いちごの恋~恋した相手は先生~
「うわぁ!私初めてです。屋上って!すごい広い!!!」
屋上の広さと、開放感。
私も新羅も言葉を失ったように、しばらく空を見上げた。
吹き付ける強い風と…
風に乗って聞こえる新垣先生の怒鳴り声。
休み時間も、先生は休めないんだね…
「新羅…」
声をかけた瞬間に、新羅が私に抱きついてきた。
「優先輩!・・・ごめんなさい!」
私は、言いかけた言葉を飲み込んで、新羅の体を撫でた。
何を誤っているのか、どうして泣いているのかもわからないけど、大好きな後輩の体をゆっくりと抱きしめた。
屋上の端っこに遠慮がちに置かれているベンチが、風のせいで不気味な音を立てた。
ギシギシ…