いちごの恋~恋した相手は先生~
一瞬の沈黙の後…
新羅は、にっこりと微笑んでこう言った。
「良かった…優先輩に嫌われたと思ってたぁ」
その場で、私は新羅の体をぎゅっと抱きしめていた。
涙で新羅の顔もよく見えない。
涙を我慢したせいで、耳がおかしくて、あまり周りの音も聞こえない。
聞こえたのは、さっき叫んだ男子の声。
「仲直り成功~!!」
チャイムが鳴った。
私は、新羅を離したくなかった。
このまま話がしたかった。
でも、
「先輩、チャイム鳴った!早く行かなきゃ!」
と、新羅が私の背中を叩いた。
「うん!!また放課後ね!」
長田って男子の冷やかしの声と拍手が耳に残ったまま
私は長い廊下を走って行った。