いちごの恋~恋した相手は先生~


一瞬の沈黙の後…





新羅は、にっこりと微笑んでこう言った。








「良かった…優先輩に嫌われたと思ってたぁ」






その場で、私は新羅の体をぎゅっと抱きしめていた。


涙で新羅の顔もよく見えない。


涙を我慢したせいで、耳がおかしくて、あまり周りの音も聞こえない。



聞こえたのは、さっき叫んだ男子の声。



「仲直り成功~!!」




チャイムが鳴った。


私は、新羅を離したくなかった。

このまま話がしたかった。


でも、

「先輩、チャイム鳴った!早く行かなきゃ!」

と、新羅が私の背中を叩いた。




「うん!!また放課後ね!」



長田って男子の冷やかしの声と拍手が耳に残ったまま


私は長い廊下を走って行った。




< 74 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop