いちごの恋~恋した相手は先生~
第8章【ラストスパート】 ~終~
放課後、担任のさようならも聞かないうちに私は教室を出た。
思い切り開けた扉はまた壁にぶつかった。
誰もいない部室。
「優先輩…」
ロッカーの陰に隠れた新羅が、照れくさそうに顔を出した。
新羅の手に持たれていた下敷きには、私が書いたハートの5倍くらい大きなハートが書かれてあった。
「新羅…ごめんね。これからは、絶対に嘘つかない。もう新羅を裏切らない。」
差し伸べた右手に、新羅がそっと左手を添えた。