桃園むくげXX歳である。
有明の君、19歳である。
だから逃げてはならぬのである。

子供から大人になれば思考も嗜好も変化するというのだが、
私はいったいいつまでチョコ菓子アポロを愛し続け円錐の理解を望み、同士を求め続ければよいのか。だが止めるわけにはいかない、

斎院あおい、キャバクラ嬢である。

よろしく。

思い続ければ願いは叶うというのは嘘である。

店の常連客である「信号機」の本命はオトコで、結ばれることは永遠に叶わない。

私の客のヘルプをしてくれている「有明」という源氏名の彼女も叶わない。
二次元に相手がいるからである。

「ゲーム発売イベント行く」と言って自由奔放さを披露し、「モンハンやってるお姉様はいませんか」と聞きまくる。要するに、オタクである。

そのスキルをフル活用して、ゲーム好きなお客様にはウケているようだ。

「有明」はプレイヤーであり、うまく割り切り演じている。
その姿勢は、尊敬すべき姿勢であろう。

この仕事をこなすには素晴らしいが、ドレスを脱ぎ捨てた時にも彼女は夢を纏ってプレイヤーとして生きるのか。

「有明」は現実の男には興味がないという。よってこの仕事が適職なんだと言っている。

どう生きようが興味はないが、悲しそうな顔をして言う台詞ではない。

だれしも諸兄の「傷つけたくない」だとか「責任が取れない」だとかそんな言葉にガッカリするわけであるが

だが、そのガッカリに、叶わない現実というリアルを知って「生きているのだ」と確認するのである。

だから逃げてはならぬのである。

彼女を二次元に追い込み、三次元で傷つけた男を見つけ踏みつけて「有明」に現実を教えてあげた夜のあと

相変わらずの脳天気なオタクキャラを演じながらも、三次元に戻り経済誌を読みレベルアップに勤しむ姿は見ない振りをしている。

二次元では突然主人公が強くなっているものだ。

ゲームのことならお任せ

オタクなキャバ嬢「有明」、来年からは経済通。

現役女子大生、19歳。

よろしく。
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