完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
……その後、あたしは姑さんに何といって電話を切ったのか全く覚えていない。
一番最後に言われた『ROSEに契約取らせようと思ったんじゃないの?』
この一撃に、さっき関谷さんに慰められて頑張って引っ込ませた涙が再び姿を現した。
……いくらあたしが仕事ができなくて失敗ばかりしてるからと言って会社を裏切るような事はしないのに。
そんなにあたしって信用無いのかな……。
あたし、ROSEの商品なんて1つも持ってない。
それなのに、どうしてあたしがROSEの商品が好き、だなんて決め付けたの?
……誰にもぶつけられない悶々とした気持ちは、目の前に出されたレモンサワーへ。
あたしなんかがこんな立派なリゾートホテルに来ることも二度と無いだろうし、ここは最後に思いっきり楽しませてもらおう。
ラッキーな事に、4杯までは無料だし。