完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
腕の中に顔を埋めながら言う。
もう半分、寝る態勢。
「俺は言われて無いけど……なんて言われたの?」
そっか……関谷さんは何も言われなかったんだ。
そうだよね、関谷さんは何も悪くないもん。
「あたし?……プレゼン、わざと手を抜いて説明したんじゃないのかって。ROSEに契約取らせたかったんじゃないかって。
ROSE、好きそうだもんねって……そんな訳ないのに」
うー……頭の中に鮮明に言われた台詞が姑さんの声でリピートしてきてまたぐっと胸が詰まる。
「抜く手なんて無いし、力が無いから毎日毎日寝ずにどうやったら上手く伝えられるか考えてたのに……
まさかそんな事言われるとは思いませんでした」
「……そっか」
ポン、と頭に手のひらが乗っかった。
何も言わずそうやって慰めてくれる優しさにまた涙がこぼれる。
「関谷さん」