完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
「……」
返事は無いけれど、聞いてくれているだろうと思って構わず続ける。
「どうして……あたしがこんな大役任されたんですか。
姑さんには色々言われるし、なら姑さんがすれば良かったじゃないですか。
関谷さんには迷惑がかかるし……すみません。
三浦さんには冷たく言われるし」
このプレゼンで、良い思い出なんて1つもない。
ただ苦労して、いやな気持ちになって、失敗したってだけ。
「あたしにはまだ早すぎたんです」
まだ何も知らないあたしがする事じゃなかったんだ。
言いたい事だけ言ったら、少しは落ち着いた。
ポン、ポンとあやすように撫でられるリズムに心地よさを覚えてあたしは
襲ってくる睡魔に抗こともなく、素直に意識を手放した………。