完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>



と、愛子さん。



「……無いです」


無いから、浮かばないんだ。



「家族旅行とかでは?」


「あー……旅行とかは良く行ってましたけど、民宿とか普通のホテルで。こんな高そうなリゾートホテルに泊まった事は一度も無いです」



お金持ちでもない一般的な家庭である小村家は、

旅行に行く機会はあったもののリゾートホテルと言う高い高級ホテルに泊まった記憶は一度も無い。


それに、家族旅行って言っても中学生になってからは一度も無く、

小学生までの記憶だしどんなホテルに泊まってたかもあんまり覚えてない。


小学生の時からホテルに設置されている化粧水を使うはずもないからどんなものが良かったーーなんて事も無い。


明らかに経験不足なんだ。


「来週、1回そのリゾートホテルの視察があるんですけど」


「えっ!泊まれるの!?」


「いや、日帰りで」



1回実際にリゾートホテルに行って見てそこの雰囲気なども取り入れてどんな化粧品がいいのかイメージしやすくしてくれるらしい。



泊まれないって言うのは少し残念だけど……



仕事でそういう場所に足を踏み入れることが出来るって言うのはラッキーかも。







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