完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
これでプレゼンも関谷さんがしてくれて、あたしは補佐だけ……だったらもっと気持ちも軽くなるのに。
「すみませーん」
他のテーブル席から呼ばれて慌ててそっちに歩いて行く愛子さん。
少ない店員数で、チェーン店でもない普通のカフェなのに、何故かそこそこ人は入ってるんだよね。
あたしもこの雰囲気が大好きなんだけど。
「……椿ちゃん」
オーダーを取っている愛子さんを見ていた時。
落ち着いた声が降ってきてあたしはその方に顔を向ける。
「ごめん、今アイツ忙しいみたいだからさ、これ取りに来てくれる?」
そう言って置かれたのはあたしがさっき頼んだ抹茶ラテ。
「あ!はい!」
申し訳なさそうな久遠さんに笑顔で返してあたしは取りに行く。