完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>



見れば、隣の席の人があたしを見上げていて。

チラッと目が合った後、その人は屈んで足元の紙を拾おうとしてくれる。



「あっ!すみません、大丈夫ですから……」


「落ち着いて」



慌てて止めようと声を出せばまた顔が上がりあたしを見上げて口を開く。


「……取り敢えず置いたらどうです?」

「ぇ?」







「飲み物。零れそうです」


「あ……はい」



何やってんの……あたし。


言った言葉が直ぐに理解できず、固まってしまった。

あたしが動く度にゆらゆらと揺れる抹茶ラテ。


零さないように気を付けながらテーブルの上へと置いてしゃがみこむと、もうその男の人は足元の紙を全て拾ってくれていて。




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