完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
「すみません、本当に……」
渡された綺麗に集められた紙を受け取りながら頭をさげる。
「……この前も落としてましたよね、物」
立ち上がって席に座りながらやんわりと話す彼。
この前……?
その“この前”と言うのがいつの事かは分からないけれど、心当たりはいっぱいある。
今回だけじゃなく前回の失敗も見られていた……と思えば恥ずかしい。
「良く落としちゃうんです。……最近、良く来てますよね?あの出入口近くの席に」
最近見かけるようになったこの男性。
いつもいる席の方へと視線を向ければ、今日は女性2人が座っていた。