完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>

「で?今日はデートと」


「違いますっ!三浦さんの妹さんの誕生日プレゼントを見に行くだけです!」


目の前でニヤニヤしている愛子さん。


あたしはカウンター席に座って鏡で自分の顔の最終チェックに取り掛かる。


お願いがあるのですが――


そう言われ、何かと思い話を聞けば、三浦さんの妹がもうすぐ誕生日らしくて。


誕生日プレゼントに可愛くなるコスメが欲しい、と言われたと。


彼氏に可愛い姿を見せたいから、男の意見で可愛いな、と思うコスメを買ってきてくれ……と。


でも、良く分からないし化粧品売り場に1人で行くのも勇気がいるから化粧品会社で働いているあたしに付いてきて欲しい……。


そう言われて、あたしは直ぐに了解の返事をしてしまった。


だって、妹さんの誕生日に妹さんの願い通りの物を買ってあげようとするなんて……


どんだけ妹思いの優しいお兄さんなんだ、って思うし。


何も役に立てないような気がするけど、少しでも役に立てたら……と思って。


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