完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
レシートを三浦さんに渡しながらニッコリ笑ってあたしに言う店員さん。
その言葉にあたしは驚き、そして反応に困る。
違うっ、違うんだけど……
他から見たらそう見えるのかな?
……見えるんだろうね。
いつもスーツをキチッと着こなしている三浦さんは本当に“大人”って感じであたしはまだまだ幼いなって気分になるけど。
今日の私服の三浦さんは、いつもと違う。
なんて言うか……近付きやすいっていうか、上手く分からないけれど。
「行きましょうか」
「ありがとうございました」
上手く返せず困惑の表情をしたあたしを見て三浦さんが言ってくれた。
さ、と言われて店員さんを見ると、綺麗な姿勢で頭を下げていて。
あたしも軽く会釈をしてブースを後にした。