完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
尊敬するライバルさん
「……どこかで食事してから帰りますか」
「あ、はい」
ゆっくりとあたしの歩調に合わせてくれて。
歩きながら言った三浦さんの言葉にあたしは俯いたまま返事をする。
……顔、あげたくてもあげられない。
やっぱりピンクのグロスが気になって。
恥ずかしくて。
やっぱり落としておけば良かった。
そうしたら顔を上げて、笑顔ではいって言えるのに。
気にしちゃいけないんだよね、気にしちゃ……。
色々なブランドの店の間の店を歩いていた時。
ふ、と人が良く入っている店に目がいった。