完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
……?
首を傾げるあたし。
三浦さんはそのままポケットから手を抜いて、そして両手をあたしの方へと伸ばしてきた。
思わず反射的にドアの方に下がる体。
でも、下げた所で距離が限られている車内。
三浦さんの腕は長く、あたしの耳へと届く。
「……そんな警戒しなくても」
「あ、や、ちょっとビックリしただけで別に警戒なんて……」
困惑の表情を浮かべた三浦さんに慌てて誤解を解く。
警戒って、あたしが変に意識してるみたいじゃない……。