完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
車を降りてからも、何度もペコペコ頭を下げたあたしを見て、ひらひら手を振ると三浦さんは車を走らせていった。
「ただいまぁー……」
誰もいない部屋に帰りベッドに倒れこむ。
ボフっと鈍い音がした。
…かえって色々と気を遣わせてしまったな。
『やっぱり似合う』
ピアスへと伸ばした手と同時に頭の中でリピートする三浦さんの声。
「あ!」
声を出してバッと起き上がり鏡の元へと寄っていく。
……耳についていたのは、すごく薄いピンクのピアス。
ストーンタイプの物だから邪魔にもならないし少し鏡から顔を離して見ればあまり目立たない。