完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
やっぱり緊張は高まってきて……。
帰りたい、と思ってしまう。
「こちらです」
入口に立っていた従業員に促され、あたし達はエントランスに並べられている椅子の方へ。
「もうROSEの方はいらしてますので」
……敵早し。
コツコツとヒールの音がテカテカな床の上を響く。
すごっ。さすがリゾートホテル。
ライトが当たって少し床が鏡のように反射してる。
……本物の大理石だったりするのかな?
少しでも落ち着こうと下を向いて考え気を紛らわせる。