完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
冷たい三浦さん
最上階のスイートルーム。
窓は各部屋よりも断然大きくて、思わず近付いて外を見る。
ホテルの前の道を挟んだ向こう側のビーチが一望できて、そして高い。
「この部屋に置く商品は一般の部屋に置く物と違う物にしたいと思うのですが、大丈夫ですか?」
感動するあたしとは違う真面目な三浦さん。
「その方がこちらとしても助かります」
少し距離を挟んであたし達が視察をしているのを見守っている従業員。
……まさかこんな所で三浦さんの仕事している姿を見る事になるなんて。
見た目からして凄く仕事が出来るって感じだし、あたしよりも実力はあるはず。
一緒に視察をしていればいる程、自分達の会社が契約を取る自信が減っていく。
最後に家族連れなどが主に利用できるような大浴場をそれぞれ視察して、「それでは商品、楽しみにしてます」と言う従業員の声で終わった。