完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
沈黙を破ったのは三浦さんで。
足元を見ていた視線を上げると
三浦さんは、こっちを見ながら横の壁に背中を預けていた。
……動揺しますよ。
まさか、三浦さんがROSEの人だなんて思わなかったんだから。
動揺した事を悟られないようにしていたつもりだったのに。
三浦さんには見透かされていたみたい。
ギュッと、手に持っていたノートを落とさないように握り締めた。
エレベーター内に響く三浦さんの声に反応して落としてしまわないように。
「……知ってたんですか?あたしがこの担当だって」