完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
この契約を取るためのプレゼンの。
それを聞いて三浦さんはフッと息を吐く。
「知ってましたよ?、と言うか、カフェで会う前、俺達一度会ってますよ?顔合わせで。
ま、椿ちゃんは緊張していて俺達側の事なんて目に入っていなかったみたいですけど」
……あ。
そっか。
今日ここにいるって事は、顔合わせの時も居たはずなんだ。
あたしは緊張していて、ROSEの方の担当の人なんて見る余裕も無く
クライアントの話を聞くだけで精一杯だった。
「カフェで声かけた時、気付かれるかなと思ったんですけど、全く気付かなくて驚きました」
黙っているあたしを見て三浦さんは一人で少しの間を置きながら言葉を紡ぐ。
「知ってて話かけたんですか?」
あたしが敵側の人間だって。