完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
三浦さんが言い終わったと同時に開いたドア。
“開”のボタンを押してあたしが出るのを待っている三浦さん。
……ムカつく。
あたしは、カッと頭に血が上ってくるのが分かった。
そして、手に力を入れて……。
バンッ!
「っつ――」
「っ!最っ低っ!!」
三浦さんに当たってそのまま床へと落ちたノート。
まさかノートを投げられるとは思って無かったらしい三浦さんは、
当てられたノートを反射的に掴もうとしたらしい。
だけど、間に合わなくて掴もうとした形のまま、手は空中にある。
落ちていくノートを見ながらも、あたしは今言える精一杯の言葉を一言だけ放った。
目から、涙が零れるのが分かった。