完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
行きつけのカフェ
「いらっしゃいませー!あっ、椿ちゃん!」
入り口のドアを開けるとテーブルを拭いていた愛子さんが笑顔で迎えてくれた。
「こんにちは、愛子さん、久遠さん」
「いらっしゃい」
カウンターに近い角のテーブル席に座る。
いつもの、あたしのお気に入りの場所。
ふーっとゆっくり息を吐き出せば、笑いながら愛子さんが注文を取りに来る。
「どうしたの?また会社で失敗したとか?」
「……またって。失敗してませんよっ!」
いつも周りの人に迷惑をかけてしまってはいるけれど……。
「カフェラテください」
「はーい。久遠さん」