完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
あたしのプレゼンしだいで、こっちの会社の商品を取り扱って貰えるのか。
ROSEの方になってしまうのか――。
朝起きて、今日いよいよ、と実感すると急に襲ってきた緊張。
胃が痛くて痛くて本当に誰かどうにかして下さいって思う。
隣で運転している関谷さんは慣れてるからかのびのびしてるけど……。
「プレゼン終わって、もし、こっちが契約取れたら会社に戻る」
うー……と両腕でお腹を包み込むようにし、前屈みになっていると関谷さんが予定を話しだす。
「もし、ダメだったら俺は会社に戻るけど、小村は直帰な?」
あたしは、直帰!?
あたしは勢い良く関谷さんの方へ顔を上げた。
「ちょ、直帰!?」
「うん。ダメだったーって報告に二人も要らないし。部長が言ってた」
「ダメですよ!契約取れなかった上に部長に報告もせず帰れって言うんですか……!」