完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
クライアント側、ROSE側から一気に集まる視線。
手や、足が緊張で震える。
一度深く頭を下げた時に、あたしは深く深呼吸をした。
「小村です。今回私達がご提供予定とさせていただいていますこちらの商品は……」
姑さんに言われた説得力。
それを意識しながら、決めて暗記していたセリフをゆっくり、ゆっくり話していった。
「……以上で終わらせていただきます」
そして最後にもう一度頭を下げて椅子へと腰を落とす。
終わった……一気に抜けていく緊張感。