君に恋した。
「そう…か。
 なら、良かったー…。」

日向は、崩れるように床にヘナヘナとしゃがみ込んだ。
「まじで、心配したー・・・。」
(うぅ…日向のこと考えてたなんて言えない…よ?)

日向は、クシャッと髪を掴んだ。
「俺…変だ。」
「ハァ?」
いきなりだったから、つい聞き返してしまった。
「んー…。
 こうさぁ…。」
「うん…。」
「モヤモヤして、ギューッと苦しくて、ポカポカしてて、なんか…」
日向は、手でジェスチャーしながら言った。
(それって…恋愛感情のせいじゃない…??)
「日向…。それって…」
「美…菜が…??
 2人…っ。」
ポーッとした、目で私を見つめる。
頬が薄ピンクに染まっている。
「え?」

ドサッ…。

私が、言い終わらないうちに、日向は倒れた。
「ちょ…大丈夫!?」

みんなは、それぞれの事に必死で気づいていない。
「うー・・・っ。」
日向は、苦しそうにしている。
「日向!日向ってば!」
体を起こした。それでも起きない。
日向の体は熱かった。
<モヤモヤ><ギュー><ポカポカ>…。

もしかして…
風邪?

『あの、すいません!力を貸してください!
 日向が倒れた!!』

私は、おおきな声で叫んだ。
「「え?ほんと!?
 保健室運ばなきゃ!」」

「「俺、手伝うよ!」」

みんなやっと気づいたのか、日向の周りに人だかりが出来た。

ちょっとして、男子生徒5、6人が日向を保健室へ運んで行った。

(大丈夫・・・かな??)
次の授業が始まった。
「あら~??氷野、どこへ行った??」
先生が、驚いた表情でクラスの子達に聞いた。

「氷野、倒れたんですよ…。」

先生にいちばん近い男子が答えた。
「まぁー…。大変ねぇ…。」

「あのッ!!」

行き成り、保健委員の子が手を上げた!
「あら、梶原どうしたの?」

「あのっ、保健委員として氷野に付き添っていても良いでしょうか?
 今日は、テスト勉強の自習ですから、戻ってきたらちゃんとします。」

(え?
 あ…あぁ。保健委員としてだよね??)
先生は、少しウーンと考えて、OKサインを出した。
「じゃ、梶原保健委員に任せます。
 今回だけ、特別よ!」
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