君に恋した。
チャイムが鳴った。

「起立~、気をつけ~。
 礼~。」

今はこんなこと考えてる場合じゃない!
私は、授業が終わってすぐ、保健室へと向かった。

「日向!」

保健室のとびらを、ガタンと勢いよくあけた。

「っ…!?」

ソコには、信じられない光景が広がっていた。

(日向と、梶原が…、Kissして…る??)

思わず、その場に立ち尽くしてしまった。
2人も、さっきの扉をあける音に気づいて、コチラを振り返った。

「美奈!」
「あ、川原さん!」

2人とも、驚いた目でこっちを見た。
しかし、梶原は直ぐにニコッと笑みを浮かべた。

「あっ。手伝いに来てくれた??」
「ま…まぁ。」

梶原はゆっくりとコチラへ歩いて来た。        
「ありがとう。」
「いや…、別に…。」
ポンと手を置いてきた。
「えっ?」

『手伝いなんて…、いらないよ?』
トンと軽く私をドアの方へ押しやった。
「キャッ!!」
ピシャッとドアの閉まる音が鳴り響く。

「川原さん。もう、帰っていいよ~!!」
ドアの向こうから、聞こえて来る、梶原の声。


「…。何アレ…。」

ただ、ボーゼンとしていたが、諦めて教室へと帰った行った。

『アレ?美奈、まだ休み時間だよ?
 氷野君の所行かなかったの?』

愛が、牛乳を片手にこっちを向いてきた。
「帰された。梶原に。必要ないって。」

「ハァ??
 何様な訳?梶原。」

愛は、自分の事の様に怒ってくれた。

「美奈、他に何もされてない?」

心配そうな瞳でみつめる愛。

「ん…。大丈夫。」

でも、今の私には、梶原の事より…。


あの保健室の光景が、ショックだった。



胸が、痛い…。

忘れようとしても、頭に焼き付いているのか、頭から離れない。
胸に、まるでナイフが刺さったようにズキズキと痛みが走る。


「日向…。」
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