君に恋した。
「う・・・。」
家に帰っても、やっぱり胸の痛みは消えない。
忘れようとすると、「忘れるな!」というように、胸がズッキズキと痛み出す。
「お願いだから…。
 忘れさせてよ…。」
ベッドに寝転びながら、ボソッとつぶやいた。
(神様、お願いだから…。あの事を忘れさせてください。)
ヴヴヴヴヴヴ~♪♪
机の上のケータイが、鳴る。メールだ。私は、なんだか起きるのもしんどくて、手をグイッと伸ばしてケータイを取った。
「え~と、愛から?」
メールは、愛からだった。パカッとケータイを開けると、カチカチ操作してメールを開いた。
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美奈…。
大丈夫??(x_ⅹ)

辛いよね…。
ごめん。力になれなくて…。

今から、話に言っていいかな?
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愛は、きっと私を慰めようとしてくれてるんだ…。
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愛ッ!!

大丈夫だよ?
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愛に、心配は掛けまいと、嘘メールを送る。
「ごめん。ありがとう…。」
もうメールは来ないだろうと、目を閉じケータイを胸に置いた。
ヴヴヴヴヴヴ~♪
その数分後、私の予想は外れてケータイは鳴った。
「うわっ!!??」
来ないと思っていたものだから、ビックリしてしまった。
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嘘つくな~!
分かるんだぞ??

愛する友達ですから((笑


窓の外、見てみ?
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私は、メールに書かれた通り、窓を開けて外を見た。
「美ー奈ーっ!」
愛が、下で大きく手を振っている。
「あ…愛。」
「元気出して~!
 上がっていい??」
「うん!」
愛、ありがとう!!こんな嘘つきを許してくれて…。
「おじゃましま~す!」
少しして、愛の声が家に響いた。
「美奈っ!!」
「愛!」
愛は、私の悩んだ顔を見て、お母さんの様に微笑んだ。
「美奈、色々しんどかったでしょ?」
優しい愛の声が、心の中に響く。
「ま、まぁ…。」
今声を出したら、泣いてしまう。愛だから、愛の優しさに頼って泣いてしまう。だから、唇をキュッと噛み締めて、泣かない様になんとか返事をした。
「美奈っ!!」
「…??」
愛が、いきなり私の名前を叫んだ。
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