君に恋した。
日向が、眠って5時間が過ぎた。
もうすっかり夜になってしまった。
「日向・・・。」
熱は大分下がった。だから、おちついて寝ているのかもしれない。
(寝てる…よね!)
「日向…、好きです。」
秘密の告白。日向が、どうか聞いていませんように。
「ん…。」
日向が突然、寝言を言った。
「ひ…かる。」
日向の瞳からキラリと光る涙が筋を描きながら零れ落ちた。
(ひかる…??)
「行くな…、ひかる…。」
私の手をキュッと握り締めた。
「わっ…!?」
「ひか…ゲホゲホッ…る? 」
日向はむせて、パチッと目を開けた。
「…日向!」
「え…?アレ…?美奈?」
「う…うん。美奈だけど。」
日向は、ゆっくりと体を起こした。
「日向…?」
「え…?」
「ねぇ。」
「ひかるって、誰?」
言ってしまってから、パッと口を押さえた。
(わー!!何聞いてるの??)
肩が、カタカタと震えた。
怖い。
もし、
「彼女だよ」
って、言われたらどうしよう…。
「ひかる…?」
日向がボソッと言った。
私は、ハッとして日向から目を逸らした。
二人の間に少しだけ沈黙が流れた。
「美奈…。」
日向が、先に口を開いた。
「美奈に関係ない。」
日向は、冷たく言い放った。
いつもの日向と違う。
熱のせい?
…だよね。
日向は、私から目を逸らそうとしない。
私は、日向と目をあわすのが怖かった。
<<全テヲ悟ラレソウデ>>
日向が好きって事も…。
ひかるさんに、やきもち焼いてるって事も。
「アタシ...ちょっと用事あるから。」
日向に背を向けた。
「ここで、寝てて良いからね。」
私は、自分の部屋に閉じこもった。
震える体を必死で抑える。
「日向…。」