君に恋した。
「えっ!?安曇?」
ふと目を覚ますと、1時間程寝ていたのか授業終了の挨拶をしているのが、屋上から見えた。
(うわっ…!!しまった、サボりだ!)
急いで立ち上がる。
まぁ、勿論今から教室に戻ったって授業に間に合うはずはないが。

体が反射的に動いた。
その時だった…――。

「きゃぁ…っ!んむっ…ぐっ…。」
後ろから、誰かに抱きつかれて
おまけに口までふさがれてしまった。
そのまま、しゃがまされる。
勿論、抱きつかれた相手とともに。

「しー…。」
耳元でささやいたその声は、完璧に安曇の声だ。
「なっ…すン…のぉ!?」
「なにすんのぉ!?」って言いたいけど…。
口が塞がれてて、言えない。

『おや?誰かいたと思ったんだが…。気のせいか。』
先生の声が聞こえた。
(危ない…、あやうくばれる所だった。)
カタンカタンと、階段を降りる音が聞こえた。

「ホッ…。」
としたのもつかの間だった。

『あ、そうそう。』
先生が、また上がって来たようだ。
心臓がドクンと高鳴る。

あけられたら、大変!
まず、男女(美奈&安曇)がひっついてるのがばれたら困る!

(先生、お願いあけないで―――!!)

ガチャン!
鍵の閉まる音が鳴り響いた。
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