君に恋した。
「じゃあ、ちょっとだけ美奈を抱きしめてる。

温かいし、ふわふわ。」

あずは、座ったまま私を後ろから抱きしめる。

「嫌?」

あずは、優しく耳元に囁く。


「嫌…じゃない…けどっ!」

この状況って…、私の心臓持ちそうに無いんですけど!
急に体温上昇。頬が紅色に染まる。


いつも、美奈ちゃんって呼ぶくせに
こういうときだけ、呼び捨てとか

ずるい。ずるすぎる!反則!


「さっきの、『なっ、そんなら…。』の続きは?」
「えっ…、あ。それは…。

あずなら信頼してるから、室内においでよって言おうと思って。」

「ふーん…。

何それ、誘惑?」


「違うっ!!」

10分くらい、そうしたままの時間が過ぎた頃。
急に、あずが手を離した。

「さ、温まったし。
美奈も帰りなよ。」

「や、だから。一緒に行こう?」

あずは、一瞬意地悪そうな笑みを浮かべて
頬にKissした。

「きゃっ…!」


「俺が暴れだす前に、帰りなって。

約束守れなくなったら困るだろ?」

また、意地悪な笑みを浮かべて、あずは言う。

「ありがとう、美奈ちゃんはいつでも優しいね。」

そういって、またあずはごろんと床に寝転んだ。
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