君に恋した。
カッカッカッ…。

しばらくすると
誰かが階段を駆け上がる音が
聞こえて来た。

(警備員さん!?)

警備員さんは、毎朝一番に来て鍵を開けて行く。

(今、開けられて見つかったら面倒臭い事になる!)

「ちょっとだけ、ゴメンね…!」
「うん…。」

そうやって昨日みたいに
抱きしめた。

足音が近付く―――。

鼓動が早くなる―――。


早く時間が過ぎて!
という思いと

まだ続いて!
という思いが

めぐるましく

交差する―…。



バンッ―――…!

戸が大きい音を立て開く!


「えっ…」

私は思わず声を出してしまった。


その理由は…
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