sugar snow
2人の声と同時に《バサバサッ》と日誌の落ちる音が響いた。
「いって~…」後ろから声が聞こえバッと声のするほうを向いた。
すると、そこにいたのは2年生か3年生の男の先輩。
「えっ、あっ、すすすすいませんっ!!あっあの、大丈夫ですか?」と
わたわたしながら聞いた。
「ん?あっ俺?あー…俺は大丈夫だけど…アンタは?」
「あっ私は全然大丈夫です!」
「いや…それ…」と、彼が指差す方を見ると日誌がすごいことになっていた。
「わーーーーーっ!!どっどうしよっ…」
「仕方ねぇな…俺も俺で悪いんだし…職員室言って担任に言うぞ。担任は?」
そう聞かれたので担任の名前を言って職員室に入った。
職員室はいつ入ってもコーヒーの香りがする。
キョロキョロしている私をよそに“彼”は、すたすたと私の担任の机へと歩いていた。
私も、駆け足で“彼”についていく。
担任に事情を説明し謝って職員室を出た。
「げっ…もうこんな時間かよ…。」時計を見て言った“彼”は私にクルッと背中を向けた。 とっさに私は、
「あのっ」と声をかけていた。“彼”は、
「何?」と顔だけ私の方に向け答えた。
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