アイツとあたし。
act.1 出会い
出会い。
なんでこんなことになったんだろう?
あたしは今、初対面の男にベッドに押し倒されている。
時を遡ること3時間前…。
あたしは、仕事を午前中に終わらせ、家に向かった。
あたしの名前は、倉持真凜(くらもちまりん)。
日本を代表とする資産家の一つ、倉持財閥の長女。
家族は、父・母・兄が3人そしてあたし。
歳は、20。
普通とは、少し…いや、かなり違う生活を過ごしてきた。
両親は、仕事で海外に出張中なので、今日の夕方からの“倉持財閥50周年パーティー”は、あたしと一番上の兄が仕切ることとなった。
すぐに実家に帰ったあたしは、急いで、パーティーの最終確認をしていた。
それから、パーティーが始まった。
あたしは兄と一緒に挨拶をしていた。
挨拶を終え、少し休憩をしていると、見知らぬ男に声をかけられた。
「ねぇ君、トイレって何処?」
「えっと…お手洗いは、こちらです。」
あたしはその男をお手洗いに案内した。
廊下を歩いていると、急にその男に手を引っ張られ、近くの部屋に連れて行かれた。
「ちょっ…何すんのよ!」
ちょっと、シカト(`ヘ´)
「ちょっ!」
あたしはベッドに押し倒された。
何すんのこの人!!
しかも、初対面じゃん!
「おまえは、絶対俺に惚れる!」
「はぁ~(呆)」
それが、あたしとアイツの最初の出会いだった…。
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