ココロ カラダ カケラ
「先生、いますか??」

化学の問題集を持ち、実験室の扉を開け呼びかけてみたが、答える声はなかった。

「…職員室かな…」

ポツリと呟き、教室を出ようと思った時だった。




ガタン!バタバタバタ…。




大きな音が隣の準備室から聞こえ、京子はそれを聞きとめると溜め息を吐いた。

「おや、冴木さん。来ていたんですか?」

奥から出てきた男に対し、京子はすさまじい眼光を向ける。

「嫌だなぁ、僕を睨まないでくださいよ」

「…この腐れ教師…」

京子の言葉に対しても彼はにっこりと笑う。

「今日はどうしましたか?また山科さん達から逃げて来ましたか?」

「あんたには関係ない」

京子はそう吐き捨てると椅子に座った。
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