きえないキミ
春・・・。


カーテンから木漏れ日が差し込む。


私はまぶしくて目をあける。


目をあけると社会の先生が私の机の前に立っている。


「鈴木・・・おきろ!」


「ん・・・・。」


あ・・・授業中だった・・。


トントンと肩を叩かれる。


私は顔を腕の中に埋めたまま、すきまから隣を見た。


「お前・・・そろそろヤバイぞ。起きろって!」


江村・・・。


私はすくっと上半身をあげ、江村のほうに向かって舌を出した。


すると江村は笑って、四つ折の紙を私の机に投げた。


私は紙を手に取り江村を見る。


江村は「あけてっ!」と小声でささやく。


ため息をつき、そっとあける。


『よく起きれました★帰りなんかオゴッてやる。』


私はプッとふきだした。


汚い字・・・。このキモいのは・・・星かな?  


へたくそだなぁ・・・


そう笑っていると、江村は『笑うなっ!』と隣で暴れる。


でも・・・

こんなに汚い字で、星かなんか分からない様なノートの切れ端でも・・・

江村の気持ちがジーンとにじみ出て、

心に響いてくる。


キミは気づいてないと思うけど・・・



私はキミに恋をしています。

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