きえないキミ
『違うの!』


違うんだよ・・・。とっても嬉しいの。嬉しいんだけど・・・。


「何かさ・・・俺だけなのかと一緒だって舞い上がってるみたいでさ・・・。」


えっ・・・?


舞い上がってる・・・?


「なんか・・・期待してて・・・。もしかしたらってね?ハズイな・・・俺・・・。」


『違うよっっ!!私はただ・・・あがってて・・・。』


衝動的に口が動いた。


あなたにだけは・・・カンジガイしてほしくないの・・・。


「なのか・・・?」


『私・・・江村のことが・・・好きだから、あがっちゃって・・・恥ずかしくて。』


江村がそっとこっちを向く。


ジッと私を見る。


私は一瞬、目を合わせてすぐに下を向く。


江村はそんな私を見てギュッと抱きしめた。


『ふぇ!?』


いきなりで何がなんだか分からなくなった。


唯一分かったのは、江村のうるさいくらい鳴ってる心臓の音・・・。


私と同じだ・・・。


「期待・・・していいの?俺・・・。」


江村が珍しくテンパッている。


それがどことなく可愛くて。


『う・・・ん。』


ショップの影で、静かなはずなのに2人の心臓の音でいっぱいになる。


いきなり江村の腕の力が強くなった。


『江村?ちょっと痛い・・・。』


江村はそんな私の言葉を無視して私の肩に頭を乗っける。


ち・・・・近い!!


ヤバイよ・・・心臓が破裂しちゃうよ・・・。


「好きだ・・・。」



< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop