夕焼け階段。
長い長い廊下を走った。
しかしなんだかいつもより長く感じる
数メートル先から闇が広がり
永遠に曲がり角がない長い廊下が続くのではないか。

今すぐばあちゃんの部屋に行こう。角を曲がればすぐだ。

廊下の突き当たりを左に曲がると、祖母の部屋の障子から明かりが漏れていた。

「ばあちゃん!」

勢いよく障子を開けると
まるで待っていたかのように
布団の上に正座してこちらを見つめる祖母の姿があった

「来ると思ったよ。」

祖母はシワだらけの顔を一層くしゃくしゃにして笑った。
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