夕焼け階段。
それを見た長老は
山の神に話しかけた。

「山の神様、ああ、どうかこの可哀相な村人たちを助けて下さい。食べるものも無く、人々は病に倒れるばかりです。我々の手では、もうどうにもならないのです。」

長老は泣きながら言ったそうだ。

「人間よ、そなたはそんなにこの村が好きか」

神様は聞いた。

「私は、この村も人々も、家族同然なのです。どうかお助け下さい。」

神様は笑った。

「人間というのは無力なものだな、そして実に小さい。しかし、そんな者たちが作り上げた村というものは、実に美しいものだな。こんなに小さな場所でたくさんの人々が生活しているのは、見てて楽しいものだ。」

七人の神様は頷いた。

「私らもこの森を愛しておる、助けてやってもいいが、一つ条件がある。私たちのために、ここに社を作ってほしいのだ。そしたら永遠にこの村を幸せにしよう」

そう聞いた長老は大きな切り株と、大きな杉の木の近くに、直ぐさま神社を建てた。するとたちまち村は元気を取り戻して行ったそうだ。

それから神々たちは
満月の夜になると、
満月に照らされた大好きな森と平和になった村を見るために、宴を開くようになったのだそうだ。
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