運命をつなぐ鳥



あぁ…


入学式は

本当に辛い…。


何より立ってる時間が
長いし、

しかも運の悪い事に、

今日は朝から頭も痛いし、

なんかだんだん気持ち悪くなってきたし…。


実は朝家を出る時感じた
嫌な予感、



…的中。



「おまえ…大丈夫?」


偶然近くに並んだ聡が、
そんな私の様子を見て
声をかけてくれた。


「なんかおまえ、
ふらふらしてんぞ?」


「…うん。
なんか…
体調悪いみたい…」



やばいな…。


くらくらしてきた…。



視界が少しぼんやりして、頭が働かない。



校長先生の話も、
耳に入ってこない。



入学式だし、
初日に抜けるのも気まずいと思って、
最初は我慢してたけど。



少しずつ目眩が
大きくなっていく。



あーあ。

高校初日に倒れるバカ
どこにいんのよ…。



視界に
目を見開き驚いている
聡が入って来た。



…何?



そして聡が
私を抱き留めてくれる感触を感じた。



あぁ…、


そのバカは


あたしか――。









< 10 / 13 >

この作品をシェア

pagetop