運命をつなぐ鳥
――……
『キーンコーン
カーンコーン』
「…ん…」
カーテンの間から挿す光が
やけに眩しい。
あぁ、
倒れたんだ、私。
「…ここは?」
「保健室だよ」
側に誰かがいることに
気付かなかった私は
一瞬驚き、
その時
聡が私をここまで
運んでくれたことを
悟った。
「…聡、ずっといたの?」
「ん?
…ずっとじゃねぇよ!
今来たばっかりだった!」
そう言って
聡はまた
あの眩しい笑顔で
鼻を掻きながら
へへっと
笑った。
あ、嘘だ。
聡は嘘をつくと
少し下を向いて
鼻を掻く癖がある。
たぶんだけど、
これを知っているのは
聡のお姉さんと
あたしだけだ。
聡のちょっとした気遣いに、
…いや、照れ隠しだと
思うけど、(笑)
なんだか胸があったかくなった気がした。
あたしは聡がいなかったら、
今までどうやって
過ごしてきたんだろう…。
そう考えただけで、
怖くなった。
聡は、
あたしの光だ。